従業員が経費を立て替えてあとから領収書の内容をもとに経費申請と行う実費精算は、最も一般的な経費精算方法です。一方で、あらかじめ決済額の大まかな予想がついている場合、事前に社員に「仮払い」しておくこともあります。こちらでは、仮払いの概要や注意点、経費精算システムを利用した仮払い精算の効率化についてお話しします。

仮払いとは

仮払いとは、予想される経費の決済額を前もって社員に渡しておくことです。通常は大まかな予想額が渡され、後で精算が行われます。大きな支払いが予想される場合にとられることが多い方法です。仮払いの際、社員に渡される使途が明確に決まっていないお金を「仮払金」と呼びます。

社員にとっては、一時的とはいえ経費を自分で立て替えるのは大きな負担となります。仮払いを利用すれば、社員の一時的な費用負担は発生しません。一方で、「企業→社員→企業」といった現金の移動が増える手間はデメリットのひとつといえます。また、小口現金の管理をしなければならない点も管理部門にとっては負担となります。

仮払いを手間に感じる場合は

上述したとおり、仮払いで最もデメリットとなるのは、現金の取り扱いの手間です。仮払いを手間に感じる場合、以下のような2つの対処法があります。

■社員に立て替えてもらう

社員に経費を立て替えてもらい、のちほど同額を支払うのが一般的な経費精算の方法です。経費申請をもとに支払いを行うだけなので、仮払いよりも現金の移動回数を減らせます。ただし、高額の負担を社員に強制することはできないため、決済額が小さい場合にのみ利用できる方法です。

■法人カードを使う

法人カードとは、法人口座が登録されているクレジットカードです。企業の希望に応じて、子カードを発行できます。子カードを社員に貸与し経費の決済に利用させれば、仮払いのような現金移動は発生しません。ただし、私費利用を防止するなど、カードの管理を徹底する必要があります。

関連記事:法人カードの導入で経費精算を効率化
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仮払いの精算パターン

仮払いでは大まかな予想金額を渡すため、仮払金と精算金が同額とは限りません。仮払いの精算パターンは、仮払いの残高によって変わります。具体的な精算パターンを以下にご紹介します。

仮払金と精算金が同額

領収書を確認し、仮払金と精算金が同額だとわかった場合、社員からの返金や企業からの支払いは必要ありません。仮払金の仕訳のみを行います。あらかじめ正確な決済額がわかっていない限り、起きづらいケースです。

仮払金の残高あり

精算金に対して仮払金が上回っている場合、社員に残高の返金を求めます。仮払いの精算では、もっとも一般的なケースです。通常は返金を求めますが、同一の社員が他にも経費を支払っている場合、精算を効率化するためそちらと相殺することもあります。

精算金に対して仮払金が不足

仮払金が不足し、社員が立て替えるケースがあります。この場合、精算金と仮払金の差額を社員に支払わなければなりません。

仮払いの注意点

仮払いを実施するうえでは、以下のような注意点を意識する必要があります。

仮払金としては計上できない

仮払金はあくまで一時的に処理する勘定科目であり、残高を残したまま計上することはできません。仮払いの残高を残したまま決算書に計上すると、社員に対する臨時的な給与を与えている可能性を税務署から指摘されるケースがあります。また、正確な帳簿管理のためにも、仮払金は速やかに精算し、使途に応じた勘定科目に振り替えるのが基本です。

経費として使用した証明が必要

仮払いでは、一時的とはいえ社員に資金を渡し使い方を委ねることになります。そのため、仮払金の不正利用には十分警戒が必要です。レシートや領収書など経費として使用した証明を保管しておくよう、社員に呼び掛けましょう。また、用途によっては、経費として認められない場合もあります。社員との間でトラブルにならないよう、事前に経費申請できる範囲や金額についてルールを設けておくことも大切です。

経費精算システムで仮払いもかんたん管理

経費精算システムがあれば、仮払いの精算を含めた経費精算の業務が効率化されます。経費申請の内容と領収書をもとに仮払金と精算金の差額を確認し、過不足に応じて必要な処理を行うことができます。FBデータを出力できる経費精算システムであれば、差額の支払いも効率的に行えます。

関連記事:経費精算システムで作成できる「FBデータ」とは?
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「経費BankII」も仮払いの管理に対応しています。残高の管理や返却、他の経費との相殺など仮払いに関する業務を一元管理することができます。仮払金が不足していた場合も、FBデータを出力できるので支払い作業を効率化します。

仮払いは出張が多い企業では日常的に行われている方法です。社員の負担を軽減できる方法ですが、金銭の移動を伴うため適切な管理が求められます。経費精算システムを導入すれば、仮払いの処理、払い戻しが効率化され、管理の不備も少なくなるはずです。仮払いを頻繁に行っている企業や、仮払いの処理を効率化したい企業は、経費精算システムの導入を検討すると良いでしょう。