2019.02.12
会社や個人事業主は、税金の金額を計算するために会計報告が義務となっています。そして、その会計における基本的な情報元が、お金の収入と支出をまとめた帳簿「金銭出納帳」です。
この記事では、「金銭出納帳」の書き方やポイントなどを解説します。
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「金銭出納帳」とは、何にいくら使ったか、どこからいくら入ったかなど、「金銭の収支を記入し、管理を行う帳簿」のことです。金銭出納帳は現金出納帳とも呼ばれます。
近年では銀行から銀行への振り込みやカード決済などが増えたこともあり、現金を直接出す機会は減ってきているといえます。しかし、小売店などをはじめ、まだまだ現金を直接やりとりするケースは多いものです。もしも、会社の事業に現金をやりとりすることがあるのなら、基本的に金銭出納帳をつくらなければならないと考えてよいでしょう。
ただし、例外的に社長の立て替えだけで済ます場合もあるため、絶対つくらなければならないというわけではありません。
金銭出納帳が必要である大きな理由のひとつが「決算書や申告書の裏付け」としての役割です。現金のやりとりにおいては、領収書やレシートなどの記録が残らないこともあります。そういった場合も含めて金銭出納帳に記録しておくと、それが証明になるのです。
金銭出納帳は「ミスや不正の防止」にも役立ちます。金銭出納帳上の残高と実際の残高が異なれば、その時点でおかしいということが分かりますよね。つまり、毎日金銭出納帳の記録と確認を行っていれば、ミスや不正があった際にもすぐに気付くことができます。
次に、金銭出納帳の書き方について解説しましょう。金銭出納帳には日付や科目といった項目が並んだ表の形式で、基本的に現金のやりとりがあればそれを1回として1行使用します。
毎月の書きはじめである一番上の行には、繰越金を記入します。繰越金とは簡単にいうと、前月の残高のことです。1ヶ月ごとに帳簿上は一旦締めますが、ここで現金がリセットされるわけではないため、当月の残高は次月へ繰越すことになります。
当月の最初の行の「摘要」に「前月より繰越」と記入して、「差引残高」に前月の残高を記入してください。また、当月の最後の行には、「摘要」に「合計」と記入します。そして合計の「収入」にはその月の収入金額の合計を、「支出」にはその月の支出金額の合計をそれぞれ記入し、「差引残高」には最後の残高をそのまま記入します。さらにその下の行には、「摘要」に「次月への繰越」と記入し、「差引残高」へ同じ金額を記入するとよいでしょう。
それでは、金銭出納帳を書く際のポイントについていくつかご紹介しましょう。
実はパソコン上でつくった帳簿より、手書きの帳簿のほうが証拠能力は高いとされています。ただし、手書きの際には使用するペンにだけ気をつけてください。使用するのは通常のボールペンや万年筆など、「字が消せないペン」に限られます。鉛筆はもちろん、「消せるボールペン」も使用不可です。
こちらも手書きする際に起こることですが、書き間違いをしてしまったときは訂正しなければいけません。そのとき、修正液や修正テープなどは使わないでください。訂正するときは必ず、訂正箇所に二重線を引き、横に正しいものを記入します。
記憶を頼りに帳簿を記入していると、ときには「金額が合わない」ということもあると思います。その際、金額を合わせるためにウソの記述をしてしまいがちですが、それは絶対にやめておきましょう。金額が合わないときは、まずその原因を探ります。それでも原因不明の場合は、科目に「現金過不足」と書き、実際の金額と合うよう収支金額を記入してください。
金銭出納帳は会計報告に関する重要な書類です。また、現金の出入りを管理し、傾向と対策を練るためにも必要なものでもあります。そんな金銭出納帳は、毎日こまめに記帳することが大切。記憶をたどりつつまとめて記入しようとすると、ミスが発生しやすいからです。
ぜひ金銭出納帳の書き方をマスターし、適切な管理を心がけてください。
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