業態によっては、遠方への出張が日常的に行われます。出張中に支払った細かな経費を申請するのは社員にとって手間です。また、経理部門のリソースも出張経費の処理によって圧迫されてしまいます。

このようなケースでおすすめしたいのが、「出張旅費規定」の作成です。こちらでは、出張旅費規定の概要や作成するメリット、経費精算システムとの親和性などについてご紹介します。

出張旅費規定とは

出張旅費規定とは、会社が出張経費に関して定めるルールです。法人化した場合のみ、有効な出張旅費規定を作成できます。規定は会社ごとの「出張」の定義や旅費の種類、出張費用・日当の取り扱いについて定められており、従業員への精算もこのルールのもと行われます。
出張旅費規定の作成は義務ではありません。出張が日常的に行われる会社でも、出張旅費規定が作成されていない例はあります。しかし、費用の取り扱いが明確になり、節税効果もあることから、多くの企業が出張旅費規定を作成しています。

出張旅費規定の作成方法

企業によって出張旅費規定の内容は異なります。一般的には以下のようなポイントに沿って作成されます。

「出張」の定義を明確にする
原則として、「出張」とみなされる業務を定義づける必要があります。企業によって定義は違いますが、長距離の移動や宿泊を伴う業務を出張とするのが一般的です。多くの企業は、勤務地から直線距離で100kmを超える距離の移動を出張として定義しています。
そのほか、特定の移動手段を出張とみなす条件に加える場合もあります。新幹線や飛行機が代表的な移動手段です。

支給額を決める
出張旅費規定では、支給額についてもルール化します。一般的に「出張費用」に含まれるのは、交通費・宿泊費、また役職に応じて支払われる日当・手当です。多くの場合、出張日数や移動距離に応じて上限額を設定します。
支給額の決め方については各企業に一任されています。ただし、高すぎる金額を設定すると税務調査で妥当だと判断されず、経費にならない可能性があります。

求められる手続きの内容を定める
出張の際に必要な手続き内容についても規定内に明記します。支給方法についても定めておきます。
支給方法は距離や役職に応じた定額支給、実際にかかった費用を精算する実費支給の2種類です。定額支給により経理作業を簡略化できる点が出張旅費規定を作成するメリットのひとつであるため、定額支給が広く採用されています。

出張旅費規定の注意点

出張旅費規定は作成しただけでは正当性を認められるわけではありません。有効な規定として用いるためには注意しなければならないことがあります。

対象者を限定することはできない
出張旅費規定は全社員が対象でなければなりません。一般社員だけではなく、役員も例外なく出張旅費規定の対象です。全社員に適応されることを想定し、妥当なルール、支給額設定を行う必要があります。

出張報告書が必要
日当・手当は交通費・宿泊費以外の費用を補填するために定額で支払われる経費です。出張先での食費や交際費として使用され、決済時の領収書がなくても経費として申請可能です。代わりに、出張時に職務を全うし、その必要経費として支払ったことを証明する出張報告書の提出が求められます。

正式な規定としての承認を得る
正式な社内規定として認められるためには、株主総会、取締役会などによる承認が必要です。

出張旅費規定を定めるとどのようなメリットがある?

出張旅費規定は企業にいくつかのメリットをもたらします。主なメリットを以下でご紹介しましょう。

出張手当は非課税
出張手当・日当は、通常の給与とは違い非課税所得として計上されます。会社の出張が多いほど、給与として払う場合の法人税が掛からないので大きな節税効果が見込めるでしょう。出張旅費規定を作成せずに日当や手当を支払うと、課税対象になってしまいます。

定額支給による経費処理効率化
出張旅費規定を作成していない場合、実際に決済した際に発行された領収書に基づく精算を行う必要があります。出張の多い会社では、精算業務が手間になってしまうケースも少なくありません。出張旅費規定がある場合、規定に沿って定額で支払いが行われるため、経費処理が大幅に効率化されます。

経費精算システムにより出張手当支給を簡単に

出張旅費規定を作成し、経費精算システムを導入すると出張費の処理がさらに簡単になります。経費精算システムに出張旅費規定の内容を登録しておけば、移動先、交通機関、役職などから自動的に経費が算出されます。領収書との照らし合わせも必要ないため、ヒューマンエラーも減少するでしょう。

最初に出張の定義や経費の支払いルールを出張費旅費規定としてまとめておけば、その後の経理処理が大幅に簡略化されます。出張が多い会社ほど、この恩恵は大きいはずです。また、経費精算システムとの併用でさらに経理処理は効率化されます。出張が日常的に行われている企業の方は、出張旅費規定の作成と経費精算システムの導入をご検討ください。