経費精算システムは便利なツールですが、導入は必ず成功するわけではありません。社内の体制や導入の仕方、ソフト選びによっては導入がスムーズに進まないことも考えられます。こちらでは、経費精算システムの導入を成功させるポイントについてお話しします。

経費精算システムの操作性に注目

さまざまなクラウドサービスが展開されていますが、それぞれの操作性は一様ではありません。機能の充実に伴い、操作が複雑になっていく傾向もあります。クラウドサービスを導入する際には例外なく操作への慣れが必要ですが、あまりにわかりづらいインターフェースだと社内への浸透を妨げてしまうケースもあります。

理想はそれまでクラウドサービスに触れたことがない人やパソコンの操作に慣れていない人でも「直観的」に操作できること。マニュアルを読まなくても簡単な説明を受けるだけで操作できるものが望ましいでしょう。マルチデバイス対応のクラウドサービスの場合、モバイルデバイスで表示されるインターフェースのわかりやすさも重要です。

経費精算システムの場合は、経理部門だけではなく、申請や承認のために社員も使うということを意識しなければなりません。パソコンやアプリケーションへの理解度、興味など、リテラシーは社員によって異なります。多くの社員にとってストレスなく使えるような経費精算システムでなければ、スムーズな浸透は期待できません。

多くの経費精算システムは本格的な導入の前にトライアルを利用できます。必要以上に複雑な操作が要求されないか、画面の遷移は速いか、表示されているユーザーインターフェースはわかりやすいかなど、操作性に注目して試用しましょう。可能な限り多くの社員に操作を試してもらい意見を聞くこともおすすめです。

導入目的を明らかにする

各ベンダーが特徴的な経費精算システムをリリースしています。ユーザーにとっては選択肢が豊富になっているといえる状況ですが、どのソフトに決めればいいのか迷ってしまうかもしれません。明確な理由なしで決めると、「必要な機能が搭載されていなかった」「使わない機能が多いのにも関わらず月額が高く、コストが無駄になってしまった」といった問題が考えられます。

そうした問題を避けるため、経費精算システムを導入する目的に立ち返りましょう。多くの場合、経費精算業務において発生している何らかの課題から経費精算システムの導入を検討しているはずです。解決すべき課題を明らかにすることで、経費精算システムに求める機能を見定めます。

社員の電車移動が多く交通費精算の作業が手間になっている場合は、「交通系ICカード情報の取り込み機能」が搭載されている経費精算システムが求められます。申請承認が滞りがちな場合は、代理承認機能があると便利です。電子帳簿保存法が改正された現在では領収書の写真データ提出に対応している経費精算システムもあり、領収書の紛失が頻発している企業や、領収書の管理コストが問題になっている企業で役立ちます。

課題が複数ある場合は、それぞれに優先順位をつけることも重要です。優先順位をつける際には、作業が発生する頻度やリソースへの負荷を基準にしましょう。優先度が高い課題を解決できるソフトを選択肢に加え比較検討しましょう。

また、導入の目的は使用する社員にも共有しましょう。「なぜこのツールが必要なのか」「導入よって得られる恩恵」を理解してもらうことで、社員が積極的にシステムを利用してくれるようになります。

まずはスモールスタートで

どれだけわかりやすいツールでも、すぐに社内で浸透するとは限りません。マニュアルの整備、社内説明会の実施といった取り組みで、スムーズな浸透を目指します。しかし、そこまで十分な取り組みを行っても、実際に使用を開始した後に混乱が生じる可能性は否定できません。

社員から経費精算システムに関する問い合わせが殺到するケースも考えられます。大規模な企業の場合、経理部門だけで問い合わせに対応するのは現実的ではありません。対応が滞れば、それだけ精算が滞ってしまうことになります。

経費精算システムを導入する際は、一部署などからスモールスタートしてみるのがおすすめです。一度に大規模な導入をするよりも混乱を最小限にとどめることができます。万が一、業務とシステムのマッチングが悪い場合も、この段階で気づけるはずです。

小さい規模の導入で知見を蓄積しながら、マニュアルやFAQを整備しましょう。申請する社員の要望に応じてシステム設定を調整していくことも可能です。ツールの有用性が実践でも確認され、経理部門にも問い合わせに対応できる体制が整った段階で全社展開に踏み切ると浸透がスムーズになるでしょう。

経費精算システムは経費申請・精算を大きく効率的にするツールです。しかし、それまで日常的に行われていた経費申請・精算のスタイルを大きく変えるのですから、スムーズに導入できないこともあります。経費精算システムを滞りなく社内普及させるために、今回ご紹介したポイントを意識してみてください。