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2019.10.18

会議費と交際費の違いを知って正しく計上しよう

会議費と交際費の違いを知って正しく計上しよう メインイメージ

得意先や仕入れ先などの人々と交流する機会が多くなると、接待にかかる費用も増えてきます。特に、会議費と交際費の違いは不明確になりがちで、よく間違えることもあるため注意が必要です。今回は、会議費と交際費の違いを知って正確に計上するためのポイントについて解説します。

注)本記事の内容は2019年3月執筆時点の情報です。詳細は専門家等に確認のうえご判断ください。

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「会議費」と「交際費」の違い

まず会議費と交際費の定義についてみていきましょう。

「会議費」は、社内で行われた会議や取引先との打ち合わせで発生した費用のことです。会議費には、会議で使用する会場の使用料や会議の書類作成費用、会議の際に出したお弁当や飲み物、お菓子などの費用が含まれます。

一方「交際費」は、取引先や得意先など外部の事業関係者に対して、接待のために使う費用のことです。事業を行う上で必要な外部関係者との懇親を図る目的で行う食事などは交際費となります。

この会議費と交際費は混同されることが多く、使い分けが重要です。使い分け方を見る前に、まずは損金算入に関するルールについて見ていきましょう。

経費計上できるかどうかは会社の規模による

法人の場合、会議費は損金算入できますが、交際費は原則として損金算入ができません。ただし、法人の規模によって一部の交際費は損金算入が認められており、具体的には以下のように定められています。

中小企業法人の場合

資本金額等が1億円以下、もしくは資本金額等が5億円以上である法人等の完全子会社ではない中小企業法人の場合は、交際費は800万円まで損金算入が認められています。

[参考]国税庁 交際費等の範囲と損金不算入額の計算
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5265.htm

資本金が1億円を超える法人の場合

大企業の場合は、平成26年まで交際費を費用として計上することができませんでした。しかし、税制が改正され、平成26年4月1日以降は交際費のうち飲食費の50%を損金算入できるようになりました。ただし、飲食費以外の損金算入は認められていません。

なお、資本金額が1億円以下でも、資本金額が5億円以上の法人の子会社であれば、こちらが適用となります。

会議費と交際費の使い分けは「5,000円以下」かどうか

前述の通り、交際費は法人の規模によって損金算入できる金額が異なりますが、会議費であれば全額損金算入ができます。ここからは金額による会議費と交際費の線引きについてみていきましょう。

平成18年の税制改正の際に、交際費の範囲から除かれて損金算入できるものが以下のように定められました。

  • 従業員の慰安を目的とする旅行や運動会に使用した費用
  • 飲食のための費用の場合、参加した者1人当たりの金額が5,000円以下になる費用
  • カレンダーや手帳などの物品を贈与するための費用 など

重要なのは2つ目の飲食費です。得意先の接待を目的とした会食の費用だとしても、1人あたり5,000円以下であれば交際費ではなく会議費等として計上し、損金算入ができるのです。この飲食費の「5,000円以下」という基準は、法人の規模に関係なく適用されます。

逆に、業務上必要な打ち合わせにかかった費用であれば、1人あたり5,000円を超えてしまっても会議費として処理できます。例えば、取引先の人と打ち合わせをしながらランチをした場合、その金額が1人あたり5,000円を超えていたとしても、会議費として計上可能な場合があります。

ただし、あまりにも高額な場合や、打ち合わせを伴わない会食の場合は、会議費ではなく交際費とみなされるため注意が必要です。会議費として処理できるかどうかは、主な目的が業務に関わる会議や商談であるかどうかで判断すると良いでしょう。

まとめると、内容が「会議」や「打ち合わせ」なら金額に関係なく会議費、取引先に対する「接待」や「贈答」なら基本的には交際費ですが、1人5,000円以下の飲食費であれば会議費として計上が可能です。

追加情報損金算入できる飲食費の上限が「1人あたり10,000円」に

「令和6年度 税制改正」にて、損金算入できる飲食費の上限が「1人あたり10,000円」に引き上げられました。令和6年(2024年)4月1日以降の支出について、1人あたり10,000円までの飲食費は交際費の範囲から除かれ、損金として算入することができます。

[参考]国税庁 交際費等の損金不算入制度の見直し
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2024/pdf/J.pdf

飲食代の経費計上は条件あり

前述の通り、交際費とは違って、会議費は損金算入できるため、法人の場合はなるべく交際費ではなく会議費として計上したほうが節税になります。

ただし、飲食代などを交際費ではなく会議費として計上するには、領収書とあわせて、次の事項を記載した書類を作成する必要があります。

  1. その飲食等のあった年月日
  2. その飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
  3. その飲食等に参加した者の数
  4. その費用の金額並びにその飲食店、料理店等の名称及びその所在地
  5. その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項

[参考]国税庁 交際費等の範囲と損金不算入額の計算
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5265.htm

会議費として経費計上するためには、参加者などをしっかり残しておく必要があるため、注意しましょう。

会議費と交際費の違いを知って正しく計上しよう

以上、会議費と交際費を正確に計上するポイントをご説明しました。2つは混同してしまいがちですが、会議費と交際費の違いに注意して、正しく計上しましょう。

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会議費と交際費の違いがかんたんにわかるQ&A

会議費と交際費の違いは?
会議費は、会議や打ち合わせにかかる費用で、基本的に損金算入が可能です。
交際費は、接待や贈答などにかかる費用です。法人の規模によって、一部の交際費のみ損金算入が認められています。
5,000円以下の飲食代は交際費?会議費?
参加者一人当たり5,000円以下の飲食代は、交際費ではなく会議費等として計上することができます。[追加情報]令和6年(2024年)4月1日以降の支出について、損金算入できる飲食費の上限が「1人あたり10,000円」に引き上げられました。

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