2020.05.28
海外出張時に外貨で支払った経費が発生した場合、レートを意識して精算する必要があります。この記事では、外貨で支払った経費精算のポイントについてご紹介します。
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おすすめポイント
外貨で支払った経費を精算する場合、「外貨→日本円」への計算を行う必要があります。この換算を行う際には、レートへの基本的な理解が必要です。一般的なレートの種類と、実際の換算で使われるレートについてご紹介します。
TTS(Telegraphic Transfer Selling rate)は顧客に外貨を売る際に銀行側が設定しているレートです。顧客側から考えると、日本円で外貨を買う際のレートを意味します。
TTB(Telegraphic Transfer Buying rate)は銀行側が外貨を買う際に設定するレートです。顧客視点では、外貨を日本円に換える際のレートを意味します。
TTM(Telegraphic Transfer Middle rate)は、銀行が設定するレートの基準値です。「仲値(なかね)」とも言います。通常、朝9時55分ごろに各銀行によって設定され、更新が行われます。
TTM・TTS・TTBの間には、それぞれ銀行が受け取る手数料分の差額があります。
米ドルの両替で、手数料が1ドルあたり1円、TTMが1ドルあたり100円のケースを想定してみましょう。TTS(外貨を買う場合)は1ドルあたり101円、TTB(日本円を得る場合)は1ドルあたり99円だとします。
顧客が100ドル必要な場合、
100 × TTS = 10,100円を支払う必要があります。
反対に100ドルを日本円に換金する場合、
顧客が受け取れるのは、100 × TTB = 9,900円となります。
TTM × 100 = 10,000円との間に発生する100円の差額は、銀行が受け取る手数料です。
手数料率は各銀行によって大きく異なります。
上述したレートの関係から、外貨で発生した経費の精算は日本円の精算以上に手間です。外貨経費の精算を効率化する方法として以下のようなものが挙げられます。
クレジットカードでの決済を行えば、カード利用時点でのレートで換算され引き落としが行われます。のちほど発行される明細には利用した時点でのレートが記載されているため、経理部門側でレートを調べる必要はありません。
また、法人カードを社員に貸与させれば、社員による経費の自己負担や払い戻しの手間を回避できます。ただし、一部クレジットカードが使えない決済もあるほか、店舗や企業によって対応しているクレジットカード会社に違いがあるため注意が必要です。
あらかじめ企業側で外貨を用意し、社員に渡しておく方法もあります。経費の申請を処理し残高を受け取るだけで済むため、外貨を日本円に換金して社員に払い戻す必要はありません。基本的にはクレジットカードで決済を行い、現金が求められた場合のために仮払金を用意しておく、という方法もあります。
外貨の経費申請に対応している経費精算システムであれば、経費として発生した金額とレートを入力すれば自動的に精算額が計算されます。毎回固定のレートを使用する、その都度レートを入力するなど、社内規定に合わせた設定が可能です。
外貨で支払った経費をスムーズに精算するためには、出張する社員側で意識しなければならないポイントがあります。代表的なポイントをご紹介しましょう。
外貨経費の精算はレートが関係していることから、日本円の精算以上に複雑です。両替時のレシート、決済時の領収書、クレジットカードの明細書などのエビデンスとなる書類は必ず保管しておくよう社員に周知しましょう。
店舗や事業者側でレシートが発行されない経費もあります。多くの国で慣例的に渡されているチップはその代表例です。出張中に発生する業務に関連したチップであれば、基本的に経費として処理できますが、必ずエビデンスが必要です。最近ではチップ額がレシートなどに記載される場合もあるので、利用するサービスやお店のチップの扱いについて事前に調べておくと良いでしょう。また、あらかじめ出張手当にチップ代を含んで支給する会社もあります。
外貨での経費精算は、経理部門と出張する社員の双方にとって手間になります。また、使用するレートに関して規定がなければトラブルが生じかねません。今回の内容を参考に、少しでも外貨の経費精算がスムーズになる方法を検討しましょう。
SBIビジネス・ソリューションズ株式会社が提供する「経費BANK」は、外貨の換算機能があるクラウド型の経費精算システムです。
あらかじめ期間ごとの外貨レートを設定しておくことで、経費申請時にレートを呼び出して日本円に換算することができます。海外出張費等の精算がある企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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