国際的に商品・サービスを展開している企業であれば、社員を海外出張させることもあるでしょう。現地で外貨の経費が発生した場合、レートを意識して精算する必要があります。こちらでは、外貨で支払った経費精算のポイントについてお話しします。

レートの種類

外貨で支払った経費を精算する場合、「外貨→日本円」への計算を行う必要があります。この換算を行う際には、レートへの基本的な理解が必要です。一般的なレートの種類と、実際の換算で使われるレートについてお話しします。

TTS

TTS(Telegraphic Transfer Selling rate)は顧客に外貨を売る際に銀行側が設定しているレートです。顧客側から考えると、日本円で外貨を買う際のレートを意味します。

TTB

TTB(Telegraphic Transfer Buying rate)は銀行側が外貨を買う際に設定するレートです。顧客視点では、銀行に外貨を渡して日本円を得る際のレートを意味します。

TTM

TTM(Telegraphic Transfer Middle rate)は、銀行が設定するレートの基準値です。通常、朝9時55分ごろに各銀行によって設定され、更新が行われます。

TTM・TTS・TTBの関係

TTM・TTS・TTBの間には、それぞれ銀行が受け取る手数料分の差額があります。

米ドルの両替で、手数料が1ドルあたり1円、TTMが1ドルあたり100円のケースを想定してみましょう。この場合、TTSは1ドルあたり101円、TTBは1ドルあたり99円です。

顧客が100ドル必要な場合、
100×TTS=10,100円を支払います。

また、上述したケースとは反対に100ドルを日本円に換金する場合、
顧客は100×TTB=9,900円を受け取ります。

TTM×100=10,000円との間に発生する100円の差額は、銀行が受け取る手数料です。
手数料率は各銀行によって大きく異なります。

海外出張で発生する経費の精算を簡単にする方法

上述したレートの関係から、外貨で発生した経費の精算は日本円の精算以上に手間です。外貨経費の精算を効率化する方法として以下のようなものが挙げられます。

クレジットカードを利用する

クレジットカードでの決済を行えば、カード利用時点でのレートで換算され引き落としが行われます。のちほど発行される明細には利用した時点でのレートが記載されているため、経理部門側でレートを調べる必要はありません。

また、法人カードを社員に貸与させれば、社員による経費の自己負担や払い戻しの手間を回避できます。ただし、一部クレジットカードが使えない決済もあるほか、店舗や企業によって対応しているクレジットカード会社に違いがあるため注意が必要です。

関連記事:法人カードの導入で経費精算を効率化
https://kb2.sbi-bs.co.jp/topics/article_190924.html

仮払いする

あらかじめ企業側で外貨を用意し、社員に渡しておく方法もあります。経費の申請を処理し残高を受け取るだけで済むため、外貨を日本円に換金して社員に払い戻す必要はありません。基本的にはクレジットカードで決済を行い、現金が求められた場合のために仮払金を用意しておく、という方法もあります。

経費精算システムを利用する

外貨の経費申請に対応している経費精算システムであれば、経費として発生した金額とレートを入力すれば自動的に精算額が計算されます。一定のレートを毎回使用する設定や、その都度レートを入力する設定を社内規定に合わせて選択可能です。

外貨経費を精算する際のポイント

外貨で支払った経費をスムーズに精算するためには、出張する社員側で意識しなければならないポイントがあります。代表的なポイントをご紹介しましょう。

両替時・経費発生時のレシートを保管しておく

外貨経費の精算はレートが関係していることから、日本円の精算以上に複雑です。両替時のレシート、決済時の領収書、クレジットカードの明細書などのエビデンスとなる書類は必ず保管しておくよう社員に周知しましょう。

レシートが出ない経費について

店舗や事業者側でレシートが発行されない経費もあります。多くの国で慣例的に渡されているチップはその代表例です。出張中に発生する業務に関連したチップであれば、基本的に経費として処理できますが、必ずエビデンスが必要です。最近ではチップ額がレシートなどに記載される場合もあるので、利用するサービスやお店のチップの扱いについて事前に調べておくと良いでしょう。また、あらかじめ出張手当にチップ代を含んで支給する会社もあります。

外貨での経費精算は、経理部門と出張する社員の双方にとって手間になります。また、使用するレートに関して規定がなければトラブルが生じかねません。今回の内容を参考に、少しでも外貨の経費精算がスムーズになる方法を検討しましょう。